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『未来のアトム』 「プレジデント」誌のインタビュー記事
田近伸和著『未来のアトム』「プレジデント」誌のインタビュー記事
Nobukazu Tajika
2024年6月23日読了時間: 53分


「埴谷VS吉本論争」について
◼︎右:埴谷雄高氏 左:吉本隆明氏 『意識 革命 宇宙 埴谷雄高・吉本隆明対談』より 河出書房新社/ 写真:編集部撮影(明記なし) 1975年初版発行 戦後を代表する「両巨頭」の論争 埴谷雄高さんと吉本隆明さんのことについて、私はお二人にお会いした時のことも含め、これまでブログ記事を書いてきました。 埴谷雄高さんは、共産党入党の経歴の持ち主で、60年安保世代にとっては「神様のような存在」といわれた人物。一方、吉本隆明さんは共産党などの左翼勢力とは一線を画す意図で、「独立左翼」を自称し、全学連のシンパ、理論的支柱の一人と目された人物です。 世間的にいえば、左翼側陣営にいると見られていたお二方です。まさに、戦後の思想界、文学界を代表する論客であり、「両巨頭」でした。年齢的にいえば、埴谷雄高さんのほうが歳上です。その意味では、埴谷雄高さんのほうが吉本隆明さんに比べ、先輩ということになりますが、お二人とも、相手を理解し、尊敬し合う間柄でした。 お二人は、もちろん、お互いに面識、交友がおありになり、対談本なども出しておられる
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 68分


埴谷雄高さんのこと
◼︎埴谷雄高氏 『意識 革命 宇宙 埴谷雄高・吉本隆明対談』より 河出書房新社/ 編集部撮影 1975年初版発行 「井の頭公園」近くの埴谷宅と 珈琲店「モカ」 東京都武蔵野市吉祥寺にある埴谷雄高(はにや・ゆたか)さんのご自宅をお訪ねしたのは、私が20代後半の頃です。なにしろ40年以上も前のことなので、記憶が曖昧(あいまい)なため、埴谷さんのご自宅がどこにあったのか、正確には覚えていませんが、確か、吉祥寺駅の東側、「井の頭公園」の近くにお住まいだったと思います。 平屋建ての家屋。想像していたよりも、どちらかといえば、こじんまりとした、簡素な感じのご自宅でした。「埴谷雄高」というペンネームと、「般若豊(はんにゃ・ゆたか)」というご本名の、二つの表札が掛かっていたように記憶しています。 ちなみに、「井の頭公園」の近くには、自家焙煎(ばいせん)の珈琲店「モカ」という、マニアの間では非常に有名な店がありました。店主の名前は、標交紀(しめぎ・ゆきとし)さんといい、共に俳優志望
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 38分


小林秀雄、吉本隆明 〜両氏の違い
◼︎ 小林秀雄氏 『直観を磨くもの』より / 新潮社・新潮文庫 写真:新潮社写真部 2014年初版発行) 小林秀雄氏、吉本隆明さん 共通する「徹底したもの」 私が尊敬する人物に小林秀雄氏がいます。生前、鎌倉に住んでおられた小林秀雄氏には、残念ながら、お会いしたことはありませんが、残されたわずかな映像やお写真で、ご尊顔を拝見したことがあります。 想像に違わず、小林秀雄さんは「いい顔」をされていました。ちょっと、惚れ惚れするような、「いい顔」でした。といっても、それは、いわゆる「美男子」のそれとは違いますが。意志の強さと優しさが同居したようなお顔というか。 その小林秀雄氏については、「小林秀雄氏の科学論」「小林秀雄氏のベルグソン論」などのブログ記事で、私はすでに述べてきました。 また、直接、お会いして、インタビューをさせていただくことになった吉本隆明さんも、同様に、「いい顔」をされていました。吉本さんご自身は「俺は人相が悪い
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 62分


吉本隆明さんのこと
◼︎右:吉本隆明氏 左:田近伸和 『超「戦争論」上・下』 アスコム / 撮影:塔下智士氏 2002年初版発行 吉本隆明さんへのインタビュー本 吉本隆明さんとは、ご縁があって、ご一緒に本を上梓させていただきました。私が聞き手となって、吉本さんにお答えいただくというインタビュー本です。 『私の「戦争論」』(ぶんか社 1999年発行)、『超「20世紀論」 上・下』(アスキー 2000年発行)、『 超「戦争論」 上・下』(アスキー 2002年発行)という本がそうです。 ちなみに、『私の「戦争論」』は、その後、筑摩書房から「ちくま文庫」として文庫化(2002年 発行)され、出版され直しました。なお、『私の「戦争論」』は、雑誌「ペントハウス」(ぶんか社)で、2年以上にわたって連載していた「世紀末 吉本亭」というインタビュー記事の、いわば、そのスペシャル版ということで、新たにインタビューを重ね、刊行されたものです。 吉本さんは1924年のお生まれですから、私がインタビューさせていただいた時、吉本さんは、70代半ばから70代後半に差しかか
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 12分


小林秀雄氏の「ベルグソン論」
◼︎小林秀雄氏 『小林秀雄 学生との対話』より 国民文化研究会・新潮社編 / 新潮社 写真 : 新潮社写真部 2014年初版発行 ベルグソン哲学から絶大な影響 小林秀雄氏の思想 アンリ・ベルグソン(1859年〜1941年)は、フランスの哲学者です。近年では、ベルクソンの表記もなされていますが、ここでは昔通り、ベルグソンと表記いたします。わが国では、白水社という出版社からベルグソンの全集本が出ています。 1965年から1966年にかけて全9巻が刊行され、1993年には新版が出版されています。ちなみに、第1巻は『時間と自由 / アリストテレスの場所論』、第2巻は『物質と記憶』、第3巻は『笑い / 持続と同時性』、第4巻は『創造的進化』、第5巻は『精神のエネルギー』、第6巻は『道徳と宗教の二源泉』、第7巻は『思想と動くもの』、第8巻は『小論集1』、第9巻は『小論集2』です。 「直観」「持続」といったベルグソン哲学の基調をなす用語は、とりわけ世界的に有名になりました。ベルグソンの文章は「光
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 110分


小林秀雄氏の「科学論」
◼︎小林秀雄氏 CD 小林秀雄講演 第六巻 より 「音楽について」<談話・音楽> / 新潮社・写真:新潮社写真部 講演に収録された 小林秀雄氏の「科学論」 文学者であり、思想家でもある小林秀雄氏(1902年〜1983年)は、近代批評の創始者です。戦前、戦後を通して、日本の文学界、思想界に大きな与えてきました。 いうまでもなく、小林秀雄氏は、文章の “ 練達の士 ” です。「批評の神様」と呼ばれました。その文章は、彫刻家が、ノミで対象物を彫(ほ)るように、削るに削った、彫りに彫った、まさに彫り上げ切ったような文章です。 幅広い学識に基づく、深い思索力や洞察力、鋭い直観力、そして独特な美意識。音楽的なリズムを基調としたパセティックな文体。論理的思考と、詩的ともいえる直観力とが融合した見事な文体をつくり上げました。 当代きっての理論家ながら、日本語による“ 論理的な散文詩 ”とも呼ぶべき、詩人と音楽家の心をあわせ持った文体を創造されました。その偉業に対して、三島由紀夫氏(1925年〜1970年)は、小林秀雄氏のことを「天才」と誉(ほ)め
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 46分


「唯物論」について
科学や社会を支配する「唯物論」 科学の主流をなす唯物論というものについて、考えてみたいと思います。いや、唯物論は科学のみならず、現代社会の主流をなす支配的な考え方といっていいでしょう。しかし、そもそも唯物論とはなんでしょうか? 『広辞苑』(岩波書店)には、こう記されています。 「唯物論(materialism):精神に対する物質の根源性を主張する立場。従って物質から離れた霊魂・精神・意識を認めず、意識は高度に組織された物質(脳髄)の所産と考え、認識は客観的実在の脳髄による反映であるとする。」 唯物論は古くからある考え方です。同じく『広辞苑』にはこう書いてあります。 「唯物論は古くインド・中国にも見られるが、西洋では古代ギリシャ初期の哲学者たち以来、近世の機械的唯物論(特に18世紀のイギリス・フランスの唯物論)を経て、マルクス主義の弁証法的唯物論に至るまでさまざまな形態をとって、哲学史上絶えず現れている。」 いうまでもなく、唯物論は根本的な原理として、物質的存在の優位性を主張します。 ドイツの哲学者、経済学者、革命家であるカール・マルク
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 38分


科学と思想について
科学とは物と物との 関係を明らかにする学問 私はこれまで、科学と思想、その両方にまたがる取材や思索活動を、自分なりに続けてきました。多くの科学者たちや、日本を代表する独創的な思想家への取材を通し、また書物や文献などを読み込むことによって、思索活動を続けてきました。 科学とは、ラテン語で知識を意味する「scientia」に由来する「science」の訳語です。明治時代の啓蒙思想家であり、日本近代哲学の祖ともいわれる「西周(にしあまね」(1829年〜1897年)によってつくられた訳語です。 今さら、私が改めて申し上げるまでもなく、現代社会に科学は不可欠です。というよりも、現代社会を、支配し、席巻(せっけん)しているのものこそ、科学であるといってよいでしょう。 ロケットを月や火星にまで飛ばしたり、ロケットで太陽や太陽系全体の探査をしたり、はるか宇宙のことを知りえたりする、といったことができるのも科学のおかげです。新幹線ですばやく遠隔地に移動できたり、飛行機で国内外どこへでも行けたりします。 もっと身近の話をしますと、4Kテレビや8Kテレビを
Nobukazu Tajika
2023年9月27日読了時間: 13分
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