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小林秀雄、吉本隆明 〜両氏の違い
◼︎ 小林秀雄氏 『直観を磨くもの』より / 新潮社・新潮文庫 写真:新潮社写真部 2014年初版発行) 小林秀雄氏、吉本隆明さん 共通する「徹底したもの」 私が尊敬する人物に小林秀雄氏がいます。生前、鎌倉に住んでおられた小林秀雄氏には、残念ながら、お会いしたことはありませんが、残されたわずかな映像やお写真で、ご尊顔を拝見したことがあります。 想像に違わず、小林秀雄さんは「いい顔」をされていました。ちょっと、惚れ惚れするような、「いい顔」でした。といっても、それは、いわゆる「美男子」のそれとは違いますが。意志の強さと優しさが同居したようなお顔というか。 その小林秀雄氏については、「小林秀雄氏の科学論」「小林秀雄氏のベルグソン論」などのブログ記事で、私はすでに述べてきました。 また、直接、お会いして、インタビューをさせていただくことになった吉本隆明さんも、同様に、「いい顔」をされていました。吉本さんご自身は「俺は人相が悪い
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 62分


小林秀雄氏の「ベルグソン論」
◼︎小林秀雄氏 『小林秀雄 学生との対話』より 国民文化研究会・新潮社編 / 新潮社 写真 : 新潮社写真部 2014年初版発行 ベルグソン哲学から絶大な影響 小林秀雄氏の思想 アンリ・ベルグソン(1859年〜1941年)は、フランスの哲学者です。近年では、ベルクソンの表記もなされていますが、ここでは昔通り、ベルグソンと表記いたします。わが国では、白水社という出版社からベルグソンの全集本が出ています。 1965年から1966年にかけて全9巻が刊行され、1993年には新版が出版されています。ちなみに、第1巻は『時間と自由 / アリストテレスの場所論』、第2巻は『物質と記憶』、第3巻は『笑い / 持続と同時性』、第4巻は『創造的進化』、第5巻は『精神のエネルギー』、第6巻は『道徳と宗教の二源泉』、第7巻は『思想と動くもの』、第8巻は『小論集1』、第9巻は『小論集2』です。 「直観」「持続」といったベルグソン哲学の基調をなす用語は、とりわけ世界的に有名になりました。ベルグソンの文章は「光
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 110分


小林秀雄氏の「科学論」
◼︎小林秀雄氏 CD 小林秀雄講演 第六巻 より 「音楽について」<談話・音楽> / 新潮社・写真:新潮社写真部 講演に収録された 小林秀雄氏の「科学論」 文学者であり、思想家でもある小林秀雄氏(1902年〜1983年)は、近代批評の創始者です。戦前、戦後を通して、日本の文学界、思想界に大きな与えてきました。 いうまでもなく、小林秀雄氏は、文章の “ 練達の士 ” です。「批評の神様」と呼ばれました。その文章は、彫刻家が、ノミで対象物を彫(ほ)るように、削るに削った、彫りに彫った、まさに彫り上げ切ったような文章です。 幅広い学識に基づく、深い思索力や洞察力、鋭い直観力、そして独特な美意識。音楽的なリズムを基調としたパセティックな文体。論理的思考と、詩的ともいえる直観力とが融合した見事な文体をつくり上げました。 当代きっての理論家ながら、日本語による“ 論理的な散文詩 ”とも呼ぶべき、詩人と音楽家の心をあわせ持った文体を創造されました。その偉業に対して、三島由紀夫氏(1925年〜1970年)は、小林秀雄氏のことを「天才」と誉(ほ)め
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 46分


「唯物論」について
科学や社会を支配する「唯物論」 科学の主流をなす唯物論というものについて、考えてみたいと思います。いや、唯物論は科学のみならず、現代社会の主流をなす支配的な考え方といっていいでしょう。しかし、そもそも唯物論とはなんでしょうか? 『広辞苑』(岩波書店)には、こう記されています。 「唯物論(materialism):精神に対する物質の根源性を主張する立場。従って物質から離れた霊魂・精神・意識を認めず、意識は高度に組織された物質(脳髄)の所産と考え、認識は客観的実在の脳髄による反映であるとする。」 唯物論は古くからある考え方です。同じく『広辞苑』にはこう書いてあります。 「唯物論は古くインド・中国にも見られるが、西洋では古代ギリシャ初期の哲学者たち以来、近世の機械的唯物論(特に18世紀のイギリス・フランスの唯物論)を経て、マルクス主義の弁証法的唯物論に至るまでさまざまな形態をとって、哲学史上絶えず現れている。」 いうまでもなく、唯物論は根本的な原理として、物質的存在の優位性を主張します。 ドイツの哲学者、経済学者、革命家であるカール・マルク
Nobukazu Tajika
2024年6月21日読了時間: 38分


科学と思想について
科学とは物と物との 関係を明らかにする学問 私はこれまで、科学と思想、その両方にまたがる取材や思索活動を、自分なりに続けてきました。多くの科学者たちや、日本を代表する独創的な思想家への取材を通し、また書物や文献などを読み込むことによって、思索活動を続けてきました。 科学とは、ラテン語で知識を意味する「scientia」に由来する「science」の訳語です。明治時代の啓蒙思想家であり、日本近代哲学の祖ともいわれる「西周(にしあまね」(1829年〜1897年)によってつくられた訳語です。 今さら、私が改めて申し上げるまでもなく、現代社会に科学は不可欠です。というよりも、現代社会を、支配し、席巻(せっけん)しているのものこそ、科学であるといってよいでしょう。 ロケットを月や火星にまで飛ばしたり、ロケットで太陽や太陽系全体の探査をしたり、はるか宇宙のことを知りえたりする、といったことができるのも科学のおかげです。新幹線ですばやく遠隔地に移動できたり、飛行機で国内外どこへでも行けたりします。 もっと身近の話をしますと、4Kテレビや8Kテレビを
Nobukazu Tajika
2023年9月27日読了時間: 13分
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